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建築業の現状

建築業の現状

家は一生ものです。

新築でも中古でも住居とは、自分が一緒に創り上げた実感と誇りにより、安心と愛着のある家であることが理想です。坪単価の安さ、見た目のよさで、選んでしまった場合、後々に思わぬ心配事にみまわれることがあります。

建った後では施工工程を知る由もありませんし、調査には余計な費用がかかります。

同じ耐震の基礎材料を使用していても、施工工程が違えば基礎の強度ははるかに低下します。


実際大阪で建てられていた建売の基礎の多くは今の基準を満たす耐震構造に該当していなかったものが多いです。

 

極端な例ですが、所詮坪単価20万は対応年数20年、坪30万は30年とも言われています。

坪単価は材料代、及び施工業者の手間賃に直接影響します。

安いとうたう建売や条件付売り建ては如何に安い材料を数少なく使い、施工の質を下げるかで現れる価格です。

一般に平均50‐60万が安心と満足を得られると言われています。

例えば、新築してすぐ大きな地震もないのに雨漏りが起きたり建て付けの異常が出て来るのは、“欠陥住宅とばかりはいえない”という優しいコメントのサイトもありますが、明らかに手抜き工事でしょう。

全て最初のちょっとした施工手間で、後の耐久性が大きく変わってしまいます。

最近の大手住宅ハウスメーカー数社の建売は見た目大変お洒落でいい感じです。

しかし、中には下請けの多くが赤字覚悟で引き受け、記録的低単価で朝早くから深夜まで施工し、結局採算が合わず途中で放棄するのもよく聞きます。


本来なら、この家は自分が造ったんだとひそかに自負するところが、見る度苦い思い出が胸をよぎることになります。


確かに、技術にたけた職人が減っており、手直しが多い現状がありますし、追加工事が出た場合、追加分を払って貰えないといった踏み倒しは珍しい話ではありません。厳しい時代ですね。

私は地域に根ざす地元の工務店として、近隣のお客様に安心して任せて頂ける様、自分の技術、知識を発揮していこうと思っております。もちろん、まだまだ、親父にかなわない部分もありますので、毎日が勉強の日々です。

また、お客様には、必要以上に家に費やしてしまうことのないように、先々のことを考えた、施工方法をできるだけ説明しています。

日本の今の建築は30年経ったら古家、と言われてしまい、悲しい話ですが、もっともっと、自分の家に愛着を持って適時に手を加え、家を長持ちさせて頂きたいと思います。

マンションの場合でも同様。

専有部分は、自分の城にすることが出来るのです。

家が心地よければ、心が安定し、予想以上に生活力がアップします。


新築でもリフォームでも、人任せにせず、どんどん関わることをおすすめします。

予算やご家族の意見の相違などで妥協せねばならないこともありましょうが、満足のいく仕上がりに近づけることを諦めてはいけません。

井上工務店2代目 棟梁 井上善嗣